新倉山 混雑対策に苦心 富士吉田 桜まつり規制解除で

桜と富士山を写真に収めようと、カメラを構える観光客ら=富士吉田・新倉山浅間公園
富士山と五重塔の眺望が外国人観光客を中心に人気の新倉山浅間公園(富士吉田市)で、開催中の桜まつりが18日で終わることで、市は19日以降の混雑対策に頭を悩ませている。期間中実施している交通規制が解かれるためだ。市は警備員の増員などで対応するとし、本年度から周辺駐車場を有料化したことによる混雑の抑制効果に期待しつつも「大型連休中までは気が抜けない」と警戒している。
公園は1年を通して観光客が押し寄せ、オーバーツーリズム(観光公害)が課題になっている。市道路公園課は昨年秋ごろから、人流抑制を目的に「景観を賛美するような報道は控えてほしい」とメディアへの取材自粛要請を始めた。
こうした状況で迎えた今年の桜まつりは、例年同様の車両通行禁止区域に加えて、市が整備した有料駐車場などへの積極的な車両誘導や、富士急行線下吉田駅周辺への観光バスの進入禁止措置を講じて、混雑は緩和傾向にある。入り込み数も昨年より少なく、市富士山課によると、14日時点で昨年同期比1万9648人(10・9%)減の16万1182人。ただ、道路公園課が懸念するのは、祭り終了後だ。
同課によると、期間中は雑踏警備が適用され、交通規制ができるが、19日以降は通常時に戻る。桜の見頃は19、20日まで続く可能性があり、両日は通常20人程度の警備員を50人態勢で臨む。また、大型連休が終わる5月6日までは30人程度配置するという。
公園隣接の駐車場も有料化され、19日から開放される。
(2025年4月17日付 山梨日日新聞掲載)