ドラマロケ地人気なのね「ホットスポット」効果 行列、グッズ問い合わせ増

平日にもかかわらず、県外からの観光客らによる行列ができる「もんぶらん」=富士吉田市下吉田5丁目
現在放送中の富士山麓を舞台にしたドラマ「ホットスポット」(YBS山梨放送など)の影響で、郡内地域の主要なロケ地がにぎわいを見せている。たびたび登場する喫茶店は「聖地巡礼」を目的に県外から訪れる人らで行列ができ、公式グッズを販売する土産品店には地元住民からの問い合わせが増加。積極的に撮影に協力した都留市は、ドラマの1シーンを広報紙の表紙に載せ、市外からも入手希望の問い合わせが寄せられている。16日の最終回を前に、関係者らは「地域が活性化する起爆剤になればいい」と期待している。
ドラマは、芸人バカリズムさんが脚本を担当。「職場の同僚が宇宙人だったら」という非日常的な設定だが、普段使うようなせりふが飛び交い、そのアンバランスさが魅力の一つ。実在する店名や県民に身近な風習も登場する。
富士吉田市の喫茶店「もんぶらん」は、主人公が友人とランチ会をする場所として実名で登場。ドラマ開始以降、「開業40年以上の歴史で経験のない行列ができている」(同店)という。
都留市では、市フィルムコミッション(FC)が全面協力し、都留文科大や富士急行線谷村町駅など10カ所以上でロケを実施。今月の広報紙は、廃校となった旧旭小で撮影したシーンが表紙を飾った。FCの担当者によると、市外からも取り寄せの希望が相次いでいる。
主人公が働くホテルとして撮影された富士河口湖町の「精進マウントホテル」も「ドラマを見て来た」という宿泊客がいるという。ホテルによると、例年3、4月はインバウンド(訪日客)でほぼ予約が埋まっていたが、3月に入り、日本人客の予約が2倍近くに増えた。お笑いトリオ「東京03」の角田晃広さん演じる宇宙人・高橋の入浴シーンの撮影があった、都留市戸沢の温泉施設「芭蕉 月待ちの湯」では2月以降、これまでの多い日の1・5倍に当たる600人が訪れることがあるという。
富士急行線河口湖駅前の土産品店「ふじさんプラザ」は、ドラマの公式グッズを販売。観光客をメインターゲットにしていたが、放送を重ねるごとに県内からの問い合わせが増えている。

ふじさんプラザ2階で販売されているドラマの公式グッズ。登場するホテル名が書かれたタオルは売り切れになるほど人気を集めている=富士河口湖町船津

ドラマの1シーンを表紙に据えた広報つる3月号
(2025年3月12日付 山梨日日新聞掲載)