2024.11.22
本栖湖漁協がヒメマス放流 成魚一本化で食害抑制
本栖湖漁協(伊藤正一組合長)は19日、本栖湖(富士河口湖町、身延町)の来春のヒメマス釣りの解禁に向け、成魚を放流した。湖では近年、大型外来魚レイクトラウトの食害とみられるヒメマスの減少で、今秋の解禁は見送った。今年は従来、春に行う稚魚の放流も断念していて、成長が進んだ成魚で一本化することで食害を抑える狙いがある。伊藤組合長は「来年春まで多く残り、解禁できるようになってほしい」と期待している。
漁協はこれまで、ヒメマス釣りの春と秋の解禁に合わせ、春には稚魚を、秋には成魚を湖に放流してきた。ただ、6年ほど前から漁協に釣り客からヒメマスが釣れなくなっているとの声が出ており、2022年には発見された大型外来魚レイクトラウトの食害が指摘されていた。これを受け、今春は食害に遭いやすい稚魚の放流を取りやめ、成魚の放流に一本化した。
19日は静岡県の養殖施設から購入したヒメマスの成魚約3万3千匹を3回に分けて放流。魚の体長は12~20センチ程度に大きくなったもので、稚魚よりも食害を受けないことを期待している。
一方、漁協によると、成魚を購入する際の費用は重量で決まり、成魚は稚魚に比べ放流できる魚の数は2~3分の1ほど。今年の春秋の費用(約500万円)を投入したが、年間での総放流数は4割ほど減少した。
今秋は解禁を見送ったため、解禁期のヒメマスの遊漁券(3150円)が販売できず、現在は「雑魚」の遊漁券(当日千円)のみの販売となった。
(2024年11月20日付 山梨日日新聞掲載)
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