富士山初冠雪「最遅」見通し
富士山の「初冠雪」が確認されず、観測史上最も遅くなる見通しとなった。甲府地方気象台によると、観測史上最も遅いのは1955年と2016年の10月26日。今年の26日は富士山への降雪予想はあるものの、山頂に雲がかからない見通しで、同気象台は「27日に初冠雪の可能性がある」とみている。
冬の訪れを告げる富士山の初冠雪は、1894年から観測をしている。富士山頂では、山頂に雲がかかり、気温が0度以下になると降雪が見込まれる。気象台職員が目視で確認し、山頂付近での積雪が確認できた場合に初冠雪を発表する。今年は9月下旬から観測し、該当する日が10月に2日ほどあった。
25日も松本守観測予報管理官が気象台から観測したが、初冠雪はお預け。26日も初冠雪の可能性は低い見込み。27日午前0~5時にかけて降雪する見通しで、気象台は「27日に初冠雪の可能性はある」という。
一方、独自に富士山「初雪化粧宣言」を出す富士吉田市の担当者も、冠雪が確認できない状況にやきもきしている。同市による観測は06年からで初冠雪同様、16年10月26日が最も遅く宣言を出した日となっている。
市富士山課の職員が毎朝5時ごろ、自宅窓から富士山の様子を確認している。同課によると、麓の最低気温が1桁予報の時は山頂で降雪する可能性が高い。10月に複数日あったが、翌朝には「雪のないきれいな赤富士だった」(羽田正利課長)という。
次に最低気温が1桁と予想されるのは11月の3連休付近。羽田課長は「これまで宣言後に雪が解けることはあっても、11月になって宣言を出すことはなかった。冬の知らせはもう少し先になりそう」と話している。
(2024年10月28日付 山梨日日新聞掲載)