2024.8.13

登山者8万2092人11%減 7月 吉田口の割合低下

 環境省が11日までにまとめた富士山の7月の登山者数は山梨、静岡両県の4登山道の合計で8万2092人で、前年同期より約11%減少した。静岡側3登山道が開山した7月10日から31日までの4登山道の登山者のうち、今夏から初めて登山規制を敷いた吉田口から登った人の割合は54・4%で、前年同期より4・1ポイント減少。昨年までは吉田口に登山者が集中していたが、緩和の傾向がみられた。
 環境省は吉田口、須走口、御殿場口、富士宮口の4登山道の各8合目付近に赤外線カウンターを設置し、登山者数を計測。吉田口は山開きの1日から、静岡側の3登山道は10日から計測している。
 10~31日の登山者数は、吉田口が前年同時期(4万6308人)より9098人(19・6%)少ない3万7210人。富士宮口は859人(4・4%)減の1万8478人で、御殿場口は1037人(16・8%)減の5131人だった。須走口は282人(3・8%)多い7628人で、4登山道で唯一増えた。
 静岡側3登山道の合計は1614人(4・9%)少ない3万1237人で、吉田口より減少幅が小さかった。新型コロナウイルス禍前の2019年7月10~31日の全登山道の登山者のうち、吉田口の割合は59・3%。今夏はコロナ禍前と比べて4・9ポイント減った。
 山梨県は今夏から、宿泊せずに夜通し登る「弾丸登山」やオーバーツーリズム(観光公害)への対策の一環で5合目にゲートを設置。通行料1人2千円を徴収し、午後4時~翌日午前3時と、登山者数が1日の上限4千人に達した場合にゲートを閉鎖し、山小屋宿泊者以外は通れない。

(2024年8月12日付 山梨日日新聞掲載)

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