2024.7.27

観光地、ポイ捨て減期待 富士吉田にスマートごみ箱

富士急行線下吉田駅前に設置されたスマートごみ箱。可燃ごみは一定量に達すると、圧縮する機能がある

 外国人観光客らに人気が高い富士吉田市の観光スポットに24日、IoT(モノのインターネット)技術を生かし、ごみ削減などにつなげるIoTスマートごみ箱「SmaGO」が設置された。オーバーツーリズム(観光公害)対策の一環として、環境省のモデル事業の採択を受けた三井住友海上火災保険とMS&ADインターリスク総研が設置。市は、ごみのポイ捨てなどの課題解決に向けて、期待感を示している。

 ごみ箱は、可燃ごみ用とペットボトル用、缶・瓶用の3台1セット。外国人観光客らが集中する富士急行線下吉田駅前、新倉山浅間公園周辺、本町通りにある「中央まちかど公園」の3カ所に置いた。環境保全の意識啓発につなげようと、市内在住のデザイナーが富士山を中心に水源地を想起させるイラストをあしらった。
 1台の大きさは、高さ128センチ、奥行き68センチ、幅64センチで、可燃ごみは一定量に達すると、内部のセンサーが検知してごみを自動圧縮する機能がある。通常約120リットルまで入るが、圧縮により最大約600リットルまで収容できる。
 ごみが設定した量に達すると回収を求める通知が自動送信されるため、収集効率の向上も見込める。ごみ箱のふたの開閉回数も記録され、利用者数や利用が集中している時間帯が可視化されるという。両社に協力する形で、市がデータの分析や住民アンケートを実施し、実効性を検証する。
 市ではこれまで、観光客の増加に伴い、ごみのポイ捨てなどの状況が発生していた。市は、対策として同駅前と同公園周辺にごみ箱を設置してきたが、観光客が集中する時期にはごみがあふれるなどの課題があるという。

(2024年7月25日付 山梨日日新聞掲載)

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