2024.6.27

「吉田口」認知度は?どんな登山道望む? 麓~6合目再興へ富士吉田市が調査

 富士吉田市は、富士山吉田口登山道の認知度などを調べるウェブアンケートを実施している。市が昨年度から進めている、麓から6合目安全指導センターまでの吉田口登山道の再興に向けた活動計画策定事業の一環。登山者以外からも幅広く意見を募り、計画に生かす。
 麓からの登山道は、江戸時代に最盛期を迎えた富士講信仰登山の本道として多くの神社や茶屋が並び、隆盛を極めた。しかし、1964年の富士山有料道路(富士スバルライン)開通でスポーツや娯楽による大衆登山の時代が到来し、多くが荒廃していったという。
 市は世界文化遺産登録10年の節目となった昨年度から、登山道の保存と活用を目指して、有識者らでつくる計画策定委員会を発足。昨年度は荒廃の激しい鈴原社(1合目)と御座石浅間神社(4合5勺)の補修作業などをした。
 アンケートでは「吉田口登山道を知っているか」「吉田口登山道と聞いて思い浮かぶ場所はどこか」など認知度を問うほか、歩きたいと思う登山道の条件についても尋ねる。市教委歴史文化課によると、回答結果は計画策定委での議論の参考にする。
 アンケートは、7月13日午後9時まで市ホームページから回答できる。同課の担当者は「多くの人に富士山の歴史的背景に関心を持ってもらうため、まずはニーズを把握したい」と話している。

(2024年6月25日付 山梨日日新聞掲載)

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