2024.5.25
観光公害策 富士吉田市が初会議 渋滞、ポイ捨て課題
富士吉田市は21日、市環境美化センターで、市内の本町通りなどで顕在化しているオーバーツーリズム(観光公害)対策について、部署横断で協議する意見交換会を初めて開き、職員が交通渋滞やごみのポイ捨てなどの課題を共有した。庁外の関係機関と協議する場の設置も検討している。実現できる施策から順次実行する。
会は冒頭を除いて非公開で開き、市民からの問い合わせが多い9部署から約20人が参加。経済環境部の小林登部長は会の冒頭で「担当課での対応だけでは追いつかない状況。観光公害と切り捨てるのではなく、一つの浮上のきっかけにできるような対策を出してほしい」と話した。
同課によると、会では車道からの危険な撮影、民家への無断立ち入り、観光バスによる交通渋滞といった課題が提起された。集団登校する児童らが撮影対象となり、嫌な思いをする子がいるとの意見もあった。来年度当初予算に盛り込めそうな案については、10月をめどにまとめる方針という。
市内では、新倉山浅間公園の忠霊塔やレトロな街並みと富士山が同時に楽しめる下吉田地区の本町通りで近年、交流サイト(SNS)をきっかけに観光客が急増。ごみのポイ捨てや車道上での危険な撮影などトラブルが多発していた。
(2024年5月22日付 山梨日日新聞掲載)
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