2024.4.01
富士観光公害に集中対策 適正利用推進協 29年まで
環境省と山梨、静岡両県などでつくる富士山の適正利用推進協議会は28日、静岡県内で会合を開き、富士登山のオーバーツーリズム(観光公害)対策をとりまとめた。混雑の偏り、弾丸登山、ルール・マナー違反の3項目を共通課題として、2029年までを期間として、集中的に取り組んでいくことを確認した。
昨夏の富士登山で顕在化したオーバーツーリズムに対する、各機関の対策や取り組みをとりまとめた。
山梨県側の吉田ルートは、県条例でゲートを設置し、午後4時~翌午前3時を通行禁止とし、静岡県側は、ウェブから事前に登山日程や山小屋宿泊予約などを入力する事前登録システムの社会実験を行う。
環境省はライブカメラを試験設置し、ビッグデータを活用して登山者動向を把握していく。富士山吉田口旅館組合は、平日と週末の宿泊料金に差を設けて分散を図る。協議会は、今夏の取り組みや対策を分かりやすく発信するために公式サイトに特設ページを開設する。
また、静岡県は、エコツーリズム推進法など法的な枠組みによって入山管理が可能か検討を始めていくこととし、環境省は協議会の場で勉強会を開く方針。
協議会は、閉山後の秋に会合を開き、今夏の対策の振り返りと評価を行う。年度末には、来年度の対策を決定する。29年まで繰り返し、対策の改善を図っていく。
(2024年3月29日付 山梨日日新聞掲載)
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