山中湖村　地域資源生かしツアー　観光で心身リフレッシュ

古民家を改装した「油井の広場ひらり」で食事する参加者＝山中湖村平野

　山中湖村は、心身の健康やリフレッシュを主眼にした観光「ウェルネスツーリズム」の推進に取り組んでいる。ハイキングやヨガ、ジビエ料理などをパッケージ化したツアーを検討。新型コロナウイルス禍後の観光需要の変化を受け、新たな目玉とする考え。

　村では平野地区の民宿を中心にバスツアーや学生の合宿などが盛んだったが、コロナ禍により２０２２年の村内への観光客はコロナ禍前の８割程度にとどまった。村担当者は「大人数のツアーよりも、密集を避けて車で近場に移動し、自然を体験する観光の需要へと変化している」と分析。湖や山などの自然環境や食材を生かせるウェルネスツーリズムに着目し、ツアーづくりを始めた。
　村在住の猟師や料理人、ヨガの講師に協力を求め、旅行者の前で解説や実演をしてもらうツアーを企画。昨年１２月からはモデルツアーを開いている。３月上旬には、東京などから約２０人が村を訪れ、森林を散策したりシカの解体を見学したりしたほか、ジビエやワカサギなどの料理も味わった。
　村は、村内の温泉施設の利用や宿泊もツアーに組み込み、観光客の滞在時間を延ばすことで、地元商店などへの経済効果も期待。民宿など宿泊先との調整や、ジビエ料理用のシカの確保なども進め、３月末の商品化を目指す。ツアーは山中湖観光協会で販売するほか、旅行代理店などにも売り込む予定。

(2024年3月15日付 山梨日日新聞掲載)