2023.2.14

人気スポットに人だかり

訪日客、路上で危険撮影 富士吉田市、事故防止へ誘導員配置

 富士吉田市下吉田の本町通りで、昭和レトロな街並みと富士山を写真に収めようと外国人観光客が車道に出たり、横断歩道上に立ち止まって撮影を試みたりする行為が相次いでいる。交通を妨害する行為は道交法違反にも該当する。事態を重く見た市は、2月から交通誘導員を配置し、注意を呼びかけている。

 1月下旬、富士吉田市下吉田地区の「本町2丁目」の信号交差点には、約20人の外国人観光客が集まっていた。スマートフォンや一眼レフカメラを手に、狙うのは昭和レトロな風景が残る商店街と雪をかぶった富士山との共演だ。

 2018年ごろに、このエリアから撮影された写真がSNS(交流サイト)で評判となり、外国人観光客の人気スポットとなった。新型コロナウイルスの感染拡大によって止まったが、昨秋の水際対策の緩和以降、再びアジア圏を中心に観光客が多く訪れている。

 観光客の増加に伴い、撮影者のルール違反も目立つようになった。車道に出たり、横断歩道上に立ち止まって撮影を試みたりする観光客が相次ぎ、車のクラクションを鳴らすドライバーも。道路に立ち止まって撮影する行為は、交通を妨害しているとして道交法違反に該当する。地元住民や商店街の店主らから市に対策を求める声が寄せられていた。

 市はこれまでも歩道内での撮影を市の公式インスタグラムや現場での注意看板などで呼びかけてきたが、違反行為はやまず、2月から日中、現場に交通誘導員を配置し、注意を呼びかけている。富士吉田署もパトロールを強化するなどの対応を取る。

 これまでに交通事故は起きていないが、堀内茂市長は8日の記者会見で、「観光客が来てくれるのはありがたいが、安全に過ごしてもらいたい。未然の事故防止が緊急課題だ」と話した。

(2023年2月12日付 山梨日日新聞掲載)

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