地域文化 アートに映す
芸術家23人 県内10会場で企画展
現代アートや日本画、木工などを手掛ける県内外の芸術家23人が参加する「プレ富士山芸術祭2022」(同実行委員会主催)が、県内10会場で順次開かれる。アートを通し、地域に根付く文化や産業などを浮かび上がらせることをテーマに、和紙の廃材を使った作品の紹介や古民家を舞台にした展示などを展開。各会場で体験イベントも企画している。
生活に身近な場所での展示を目指して活動している日本画家の伊東正次さん(東京)が中心となって企画。昨年、市川三郷町や山中湖村などで開いた展示を一体化し、規模を拡大した。
国の登録有形文化財「旧二葉屋酒造」(同町、5~13日)では、美術家の石田泰道さんが町内の障子紙工場の製造工程で廃棄される紙くずを再利用し、花をモチーフに制作した作品を紹介する。伊東さんの日本画なども並ぶ。展示には住民グループ「市川マップの会」が協力している。
ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智さんの生家「蛍雪寮」(韮崎市、8~15日)で展示するのは、硯を手掛ける雨宮弥太郎さんの作品をはじめ、書や日本画など日本古来の文化にまつわるもの。甲府・甲斐善光寺では、絵師・映水さんと美術家の志村陽子さんによる展示が披露される。
このほか、山中湖文学の森公園内の会場で陶芸や油彩画など、富士川町の古民家で木彫刻の展示など。各地でフォトフレームやランチョンマット作りといった、親子で楽しめる、展示作品にちなんだ体験会が予定されている。
27日までで、会場によって開催期間やイベント日時が異なる。予約が必要なものもある。詳細は芸術祭のホームページに掲載している。伊東さんは「地域の人と結びつきながら取り組み、文化の薫りを通して地域のことを知ってもらう芸術祭にしたい」と話している。
(2022年11月2日付 山梨日日新聞掲載)