2022.10.03
入山料6834万円、協力率72%
県は9月30日、今夏の富士山保全協力金(入山料)の徴収状況を発表した。総額は6834万7322円で、本格導入以降で最少となった前年(3538万7023円)の1.9倍。支払った人の割合(協力率)は前年比7.6ポイント増の72.8%で過去最高となった。県は新型コロナウイルス対策の検温の実施場所近くでの呼び掛けや、協力金の定着が要因とみている。
今夏の開山期間は7月1日~9月10日。県世界遺産富士山課によると、現地受け付けは前年より3117万2299円(88.8%)増えて6627万8322円。このうち電子マネー決済は前年の3.8倍となる1260万7千円となった。インターネットやコンビニエンスストアの利用は2.3倍の23万5千円。同課での受け付けは10倍の183万4千円だった。
富士吉田市の発表によると、今夏の吉田口登山道の登山者数は11万5025人で、1981年の統計開始以降で最少だった昨年の1.8倍となったが、新型コロナウイルス流行前の2019年の6割にとどまった。
一方、環境省が調べた登山者数を基に算出している協力率は、協力金を本格導入した14年以降で初めて70%を超えた。これまでは50~60%で推移していた。同課は「協力金の趣旨を理解してもらうため情報発信を強化していく」としている。
入山料は下山道整備やトイレ、救護所の維持管理などの財源とするため、登山者に任意で原則千円を支払ってもらう仕組み。5、6合目で徴収し、千円未満も受け付ける。
(2022年10月1日付 山梨日日新聞掲載)
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