芸術 触れて楽しむ

ダリ作品で夫婦円満　河口湖音楽と森の美術館

ダリ作のサイの鼻に触れる来場者＝富士河口湖・河口湖音楽と森の美術館

　観光施設「河口湖音楽と森の美術館」は９月３０日、２０世紀のスペインの巨匠サルバドール・ダリが制作したブロンズ作品「レースをまとった犀」を公開した。ダリが愛妻家だったことと「妻」と「サイ」にかけて、「作品のサイの鼻を触ると家内安全や夫婦円満になる」（施設担当者）と言われているという。

　施設内のミュージアムショップ前の広場に設置。同施設によると、ダリが１９５６年に制作し、大きさは全長約４メートル、台座を含めた高さが約３メートル。ダリが８体しか造っていない貴重な作品で、時価８億円の価値があるという。

　これまで作品は中部国際空港（愛知県）に展示されていた。美術館が芸術作品を通じて地域を活性化させようと、所有者と協議し、３年間をめどに借りられることになった。

　３０日は除幕式が行われ、町関係者が設置を祝い、早速、サイの鼻に触れていた。施設運営会社の堀内貴丈社長は「この作品を契機に富士北麓地域をアートの聖地にしたい。自然とアートの融合で地域を盛り上げていきたい」と話している。

(2022年10月1日付 山梨日日新聞掲載)