2022.7.03
「富士登山者回復を」
開山前夜祭で安全祈願
富士山の山開きを告げる開山前夜祭が6月30日、富士吉田市の北口本宮冨士浅間神社で行われ、夏山登山の安全を祈願した。新型コロナウイルスの影響により2年連続で中止となっていた富士講パレードもあり、3年ぶりに全ての神事が行われた。山小屋関係者は登山者数の回復を願った。
前夜祭では、お道開きの儀式で、手力男命役が木づちでしめ縄を断ち切り、今年の開山を告げた。けがれをはらう儀式「夏越大祓」も行い、参列者が境内に設置された茅の輪をくぐり、罪やけがれをはらった。
富士講パレードも3年ぶりに実施。富士講信者ら約100人が神社を目指して上吉田地区を練り歩いた。地元の富士保育園の園児も行衣をまとって参加し、踊りを披露した。神社の上文司厚宮司は「3年ぶりに全ての神事を行うことができ感慨深い。夏山が無事故で、健全なにぎわいが続くことを願った」と話した。
富士山の山小屋も7月1日の吉田口登山道開通に向け、登山者を迎え入れる準備を整えてきた。「本八合目トモエ館」は、新型コロナウイルス感染防止のため、寝室を全て個室化して1~2人で寝る仕様とした。食事の席にパーティションを設置し、消毒液なども完備した。1日からの予約は、昨年より1~2割ほど増えているといい、担当者は「(東京都などに)緊急事態宣言が出た昨年と違い、今年は感染状況が落ち着いている。今後の客足に期待したい」と話した。
(2022年7月1日付 山梨日日新聞掲載)
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