2021.12.07
噴火の被害どう軽減
富士吉田で国際ワークショップ
火山災害の軽減策について考える国際ワークショップ2021(県富士山科学研究所、防災科学技術研究所主催)が3日、富士吉田市の富士山科学研究所で開かれた。国内外の火山防災の専門家や登山ガイドらが、登山者の安全確保について意見を交わした。
富士山ガイドなどを務める一般社団法人「マウントフジトレイルクラブ」(鳴沢村)代表理事の太田安彦さんは「噴火の恐れが迫ると、登山ガイドも複雑な思考ができなくなる」とし、噴火の危険度に応じた2、3パターンの避難誘導の方法をあらかじめ決めておくことを提案した。
富士山や御嶽山などには近年、さまざまな国からの登山者が訪れている。分かりやすい避難誘導も議論となり、ニュージーランドのトンガリロ国立公園の危機管理に携わる元自然保護局のハリー・キースさんは「複数の言語による情報を用意するより、『止まれ』『戻れ』といったシンプルな言葉を英語で伝えるべき」との考えを示した。
このほか、御嶽山の火山防災を担当する長野県王滝村総務課の稗田実さん、富士山の登山者動向を調査する立命館アジア太平洋大のトーマス・ジョーンズ教授らが発言した。ワークショップはオンラインを通じ、約150人が視聴した。
(2021年12月5日付 山梨日日新聞掲載)
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