2021.10.30

溶岩流到達 対応を確認

富士山噴火 マップ改定後初の訓練

 県と県内10市町村などは27日、富士山の山梨県側で噴火が起きたと想定した図上訓練を実施した。3月に富士山噴火ハザードマップの改定版が公表されてから初の訓練で、新たに溶岩流が到達する可能性があるとされた大月、上野原両市も参加。住民の避難対応や避難所運営、情報共有の方法などを確認した。

 訓練には県と富士吉田、都留、大月、上野原、身延、西桂、忍野、山中湖、富士河口湖、鳴沢の10市町村、自衛隊など関係機関が参加。富士山の噴火警戒レベルが7月13~14日に「3(入山規制)」、「4(避難準備)」、「5(避難)」と引き上げられ、14日正午に富士吉田市街地に近い雁ノ穴火口で噴火したとの想定で実施した。

 訓練では、噴火警戒レベル4になった際、甲府・県防災新館に災害対策本部、富士吉田合同庁舎に現地対策本部を開設。噴火後には、災害対策本部が噴煙が1千メートルまで上がり溶岩流が流れ出ているなどと、噴火の状況を各市町村に報告。富士吉田市は溶岩流が到達する可能性がある地域に避難指示を出し、富士河口湖町は避難者の受け入れを準備した。大月、上野原の両市は防災無線を通じて住民に噴火警戒レベルを周知するなどした。

 今回の訓練を踏まえ、県と地元市町村は11月27日に住民参加の避難訓練を実施する。県防災危機管理課の小林靖課長は「市町村との情報共有の手順や噴火警戒レベルに応じた対応などをしっかりと確認できた。実際に噴火が起きた際もスムーズに対応できるようにしたい」と話した。

 ハザードマップの改定版では、中・大規模噴火時に溶岩流が大月、上野原市にも到達する恐れがあることが示された。以前は都留市までとされていた。

(2021年10月28日付 山梨日日新聞掲載)

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