開山1週間 富士登山者8割減
山梨県や富士山の地元市町村などでつくる富士山安全指導センター運営協議会は9日、富士山の開山1週間の登山者数(速報値)は1245人で、2019年同期と比べて約8割減少したと明らかにした。新型コロナウイルス感染拡大や降雨が影響したとみられる。昨年は感染拡大で登山道が閉鎖され、2年ぶりの開山となったが、登山者が例年よりも大幅に少ない状況となっている。
センター事務局の富士吉田市によると、登山者数は6合目のセンターで目視でカウント。今月1日の開山から7日までの登山者数は1245人で、19年同期の5921人を4676人(79.0%)下回った。15年以降で最も多かった16年(1万3053人)の10分の1以下。日別で登山者が最も多かったのは4日の279人だった。
吉田口登山道沿いの山小屋16軒の9月までの宿泊予約は、6月時点で例年の2、3割程度という。市の担当者は「新型コロナの影響で開山前から予約が少なかった。登山者が例年より大幅に減ることは予想できた」と話した。政府が今月12日から8月22日までの期間で東京都への4度目の緊急事態宣言発令を決めたことを受け、予約のキャンセルが出ている山小屋もあるという。
山小屋は今季、原則事前予約制とし、収容人数を制限。換気扇やパーティションを取り付けるなどの感染対策を取っている。吉田口登山道の山小屋でつくる富士山吉田口旅館組合の中村修組合長は「感染対策をしても宿泊者は少なく、先が読めない状況。緊急事態宣言でさらに不安は大きくなる」と懸念を示した。
開山期間は9月10日まで。
(2021年7月10日付 山梨日日新聞掲載)