2021.6.11

シカ食害から富士山麓守れ

富士吉田市 ネット寄付5000万円突破

 富士吉田市は、ニホンジカによる食害の抑制やジビエ(野生鳥獣肉)振興策に活用するための資金をインターネットで募っている。呼び掛け開始から2週間で、当初目標の1400万円の4倍近くになる5千万円以上が集まっている。市担当者は「寄付者の思いに応えるためにも、シカによる被害から富士山麓を守るための対策を考えたい」と話している。

 市によると、富士山周辺のニホンジカの生息密度は高く、市内でもフジザクラの新芽が食べられたり、樹皮が剥がされたりする被害が出ているという。植栽した若木の芽や葉が食べられることもあり、森林荒廃や生態系に大きな影響を与えているという。

 市は2020年度から、被害を軽減させようと、シカの生息状況の調査や若手猟師の育成に取り組んでいる。被害軽減のための活動や、市内で捕獲したシカのジビエを新たな地域活性化策につなげるための資金を募ることにした。

 市は5月21日から、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングで呼び掛けを開始。28日に当初予定していた1400万円に達した。6月8日時点で、約2800人から約5300万円が寄せられている。資金は8月20日まで受け付けている。

 集まった資金は、地元猟友会による管理捕獲やセンサーなどICT技術を使ったわなの設置、ベテランハンターの技術伝承と若手ハンターの育成などに活用する。

 市ふるさと納税推進室の担当者は「捕獲したシカを使った特産品を開発し活用する方策を考え、地域活性化にもつなげたい」と話している。

(2021年6月9日付 山梨日日新聞掲載)

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