2021.5.28
噴火訓練「県主導で」
富士山防災協 富士吉田市長が苦言
3月に富士山噴火ハザードマップが改定されたことを受け、広域避難実動訓練の実施を検討する富士吉田市の堀内茂市長は25日、富士北麓8市町村長が集まった会合で、「実施には関係機関との連携が不可欠で、本来は県が主導して調整すべきだ」と述べ、県の姿勢に苦言を呈した。
25日、市内で開かれた富士吉田市など富士北麓8市町村でつくる富士山火山防災協議会(会長・堀内市長)の総会で、県担当者に発言した。
県担当者は改定版で想定される被害が拡大するなどしたことから、時期は未定だが、県と県内市町村参加の合同図上訓練の実施を検討していることを説明。これに対し、堀内市長は図上訓練について、「参加者が一部の組織や代表者に限られ、地域全体に避難訓練の効果を周知するには不十分」と指摘した。
市が2018年に他市町村と実施した実動訓練では関係機関との調整に県が「消極的」(担当者)だったことを踏まえ、堀内市長は次回、市が実施する場合に県の積極的な関与を求めた。
山中湖村の高村正一郎村長も村民の新たな避難先となる自治体の確保を県に求め、「積極的な回答がほしい。県の方向性を示してほしい」と強く求めた。
県担当者は「今の時点では方向性は示せないが、適切な方向で対応していきたい」などと述べた。県は6月1日から、県や関係自治体でつくる富士山火山防災対策協議会内で、避難時に想定される課題などの議論を進め、新たな避難先や広域避難訓練の内容についても検討するという。
(2021年5月26日付 山梨日日新聞掲載)
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