2021.4.11
富士スバルラインに迂回路
雪代被害 県、GWまでに整備
土砂と積雪が流れ出す「スラッシュ雪崩」(雪代)の影響で富士山有料道路(富士スバルライン)の石楠花橋に亀裂が見つかったことを受け、山梨県は8日、橋近くの山頂側に迂回路を整備する方針を明らかにした。県はゴールデンウイーク(GW)前のスバルライン開通を視野に迂回路の完成を目指すとしている。
県道路整備課によると、石楠花橋は富士山5合目から約1キロ下った場所にあり、山頂側の橋桁に幅1~2ミリ程度の亀裂が複数確認された。県は補修が長期に及ぶ可能性があるとして、迂回路の整備方針を固めた。
迂回路は橋の山頂側に整備する方針で、土砂で橋の脇を埋め立てて通行可能にしたり、仮設橋を設置したりする方法を検討している。最短でも工期は2週間程度になるという。環境省富士五湖管理官事務所によると、国立公園の富士山で迂回路を整備するには、自然公園法で定める同省への申請が必要。
長崎幸太郎知事は8日の会見で、スラッシュ雪崩について「山から落ちてくる津波だ」と表現し、「まずはしっかりと調査した上で、できる限り早い段階で通行が可能になるように知恵を絞りたい」と述べた。
県は同日、石楠花橋の詳細な被害状況を公開。橋台から橋桁が30センチ程度ずれていることや、橋桁が道路面より5センチ程度浮いていることなどを明らかにした。
スラッシュ雪崩による道路の被害は3月22日に確認された。石楠花橋のほかに被害が確認された御庭洞門、青草洞門、苔桃橋の3カ所は現時点で目立った損傷は確認されていないという。
(2021年4月9日付 山梨日日新聞掲載)
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