1人で宿泊 プラン充実
県内ホテル コロナ禍、需要対応
新型コロナウイルス感染拡大の影響で一人旅の需要が高まっているとして、県内のホテルで1人向けの宿泊プランを新設する動きが広がっている。3密(密閉、密集、密接)を避けて1人でゆっくりと過ごしたい人や、家族や友人などグループでの旅行に抵抗がある人を取り込む考えだ。
グランピングリゾート「星のや富士」(富士河口湖町)は、手ぶらで宿泊やアクティビティーが楽しめる1人向けプランを新設。たき火や料理などをスタッフがサポートする。1人で参加できる樹海散策などの自然体験ツアーも用意。2月下旬から通年で実施しており、担当者は「充実した設備や料理、スタッフのサポートがある」とアピールする。
富士マリオットホテル山中湖(山中湖村)は「居心地の良い空間で1人でも気軽に滞在してほしい」として、客室にスピーカーやプロジェクターなどの家電、ラウンジに軽食やフリードリンクをそろえた1人用プランを設けた。19日から取り扱いを始め、8月末までを予定している。
ホテル鐘山苑(富士吉田市)は、原則2名以上で宿泊者を受け入れてきたが、「1人で宿泊したい」との問い合わせなどもあり、12日から1人利用のプランを新設。宮本晃総支配人は「コロナ禍で1人プランの需要が高まっている。多くの人に出掛けてもらいたい」と呼び掛けている。プランは4月末までの予定。
旅行情報サイトを展開するトラベルズー・ジャパン(東京)が、2月下旬に会員約17万人を対象に実施した一人旅に関する意識調査では、7割が今後の一人旅に意欲を示していることが分かった。コロナ禍で密集を避け、自由に行動できるメリットから注目が集まっているとみられる。
(2021年3月27日付 山梨日日新聞掲載)