2021.2.26
富士山鉄道「検討に値」
静岡知事 共同事業化も
長崎幸太郎知事と静岡県の川勝平太知事は23日、静岡県御殿場市で会談し、山梨県が進める富士山登山鉄道構想について意見交換した。川勝知事は「富士山の価値を高めるための方策として、十分検討に値する」と理解を示した。長崎知事は静岡県との共同プロジェクトとすることを提案。川勝知事は「(両知事とも)富士山のことは常に共同してやろうという姿勢だ」と述べ、今後検討するとした。
会談は「富士山の日」を記念して御殿場市で開かれた「富士山フェスタ」に先立ち、非公開で行われた。長崎知事は富士山有料道路(富士スバルライン)上に架線のない路面電車を走らせる検討委の構想を説明。鉄道敷設が遺産に及ぼす環境影響評価など、両県の有識者らでつくる学術委が示した課題に取り組み、政府を通じて国連教育科学文化機関(ユネスコ)の見解を仰ぐ考えを伝えた。
会談後の取材に対し、川勝知事は「世界文化遺産の普遍的な価値が損なわれてはならないのが大前提。環境負荷もあってはならない」と強調。その上で、既存の道路部分を活用し、電線などを設置しない構想であることなどを評価し、「学術委が求める手続きをきちんと踏まえており、私が異を唱える理由はない」と述べた。
長崎知事は両県の共同プロジェクトと位置付けるよう申し出た。長崎知事は「登山鉄道による恩恵は富士山の周り全てに及ぶようにしたい」、川勝知事は「環富士を常に考えており、両方の公益に資するようにするという提案をいただいた」と述べた。
(2021年2月24日付 山梨日日新聞掲載)
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