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2018.11.06 所属カテゴリ: 山日紙面で見る富士山 / 11月 /

川窪寺屋敷へ六角堂 河口湖教委 史跡保存で建立計画

 河口湖町教委が町史跡に指定した河口湖沖合の「川窪寺屋敷」の保存に向けて、町教委と史跡川窪寺屋敷保存会は同所に六角堂を建立する。5日には同所での現地測量を行った。

 六角堂建立は同所が町の史跡であることを示すための建築物として、景観の面から適切であると判断された。計画によると、建物の高さは6.6メートル、床面積約40平方メートル。建立に向けての今後の活動は12日に開かれる保存会会議で煮詰めていく。

 寺屋敷は、南岸の八木崎公園の沖合約70メートルにある小島(約2.2アール)の通称。1274年日蓮宗信徒らが建立した妙法寺の跡といわれる。古文書によると、寺は1559年、湖の水位の上昇によって水没するまで同所にあり、その後、現在地に移転したという。大正時代までは減水の際に柱の基礎になる礎石が確認され、住民らによって庭石用に持ち去られたとの証言もある。

 1990年、町史跡に指定されたのをきっかけに、寺屋敷を後世に残すため、建設物や説明板の設置を求める声が地元小立老人クラブなどから上がった。

 町教委は今年、河口湖新放水路が完成し、湖の水位が安定したことで小島の水没の心配がなくなったことから寺屋敷の保存に乗り出した。9月には保存を求める町民らによって保存会が発足、保存の方法について検討を進めてきた。 【当時の紙面から】

(1993年11月6日付 山梨日日新聞掲載)
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