2018.11.13
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山日紙面で見る富士山 /
11月 /
一望に五湖、アルプス 富士山有料道 全線が舗装
富士山有料道路全線の舗装が完成した。南都留郡河口湖町船津、河口湖駅横から5合目小御岳神社前まで延べ29.8キロ、幅6.5メートルで工費17億円。昭和36年6月から工事をはじめ、残っているのは道路上のあとかたづけ、石積み、ガードレールと付属設備の事務室、休憩室だけ。
道路の第1工区1.2キロは10月、第2工区8キロと第3工区7.2キロは7月にそれぞれ完成、第4工区13.4キロもすでに舗装は仕上がり、石積みなどを残すだけで、自動車は全線通れる。第4工区には5合目終点に管理室・発電室、御庭に休憩所2棟、便所を御庭2棟、5合目終点棟1むねを建設中で、この付属設備も近く完成する。駐車場も5合目終点、御庭、奥庭、大沢に土を盛って合計1万6600平方メートルのものを作った。
これまでの船津登山道は5合目までバスで登って2時間以上かかったが、この有料道なら約50分。しかも8%以上の傾斜道路にはすべり止めをつけている。第1、第2工区道路はアスファルト舗装だが、第3、4工区道路はコンクリート舗装で非常に堅固。
展望は全国スカイラインの中のピカ一。標高850メートルの河口湖畔から標高2400メートルの5合目まで原始林を縫って登る。河口、西、精進、本栖―それに5合目へ着けば山中湖と、五湖を全部眼下におさめる。山中も御坂山脈の上に南アルプスの連山、八ケ岳を見て、雲をはるか下に走ることになる。また第3ヘアピンのカーブは静岡県境近くまで伸びているので、朝霧高原を手に取るような近さにみて、晴れていれば静岡、清水港までも見えるという。
開業は来年4月1日からで、通行料金は片道観光バス1800円、大型乗用車800円、小型乗用車600円が予定されている。【当時の紙面から】
(1963年11月13日付 山梨日日新聞掲載)広告