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富士山世界文化遺産・構成資産『山宮浅間神社』

 静岡県富士宮市。浅間神社の総本宮である富士山本宮浅間大社の前身とされる。本来は社殿がある場所に建物がなく、石で区分した富士山の遥拝所があるだけの特殊な境内になっているため、古代からの富士山祭祀について知る手掛かりを残した神社とされている。

 いつ創建されたかは定かではないが、浅間大社の社伝では806年には存在していた。境内からは12~15世紀の神事に使うための土器が発掘され、文献の上では、当時の統治者今川義元が1551年に出した朱印状で存在が確認できる。

 神社の象徴である遥拝所は青沢溶岩流の先端部に位置。富士山を拝む方向に祭壇があり、祭儀を行っていたと考えられている。周囲45メートル四方に築かれた溶岩礫の石塁は、聖域として区切るための工夫とも言われる。

 1577年の「冨士大宮御神事帳」の記述では、浅間大社との間に、祭神が行き来する儀式「山宮御神幸」があったことも確認できる。4月と11月に神の宿った矛を往復させる神事だが、1875年以降は行われていない。
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