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富士山世界文化遺産・構成資産『富士山本宮浅間大社』

 静岡県富士宮市。古くから富士山南麓地域の中心的神社で、全国の浅間神社の総本宮として、多くの人に信仰されている。江戸時代には8合目以上の支配権を獲得。明治期に一度国有化されたが、1974年の最高裁判決で返還され、今も山頂の土地を所有している。

 社伝では806年に山宮浅間神社(静岡県富士宮市)から現在の場所に移されたとされる。富士山を畏れ敬い、噴火を鎮める目的で創建。当時の朝廷は従三位の位階を与え、順次高めることで浅間大神をなだめ、噴火を鎮めようとしたとされている。

 15世紀ごろには登拝が盛んになり、周辺には大宮・村山口登山道を登る人たち向けの宿坊が建てられた。江戸幕府を開いた徳川家康も保護し、1604年には「浅間造り」と呼ばれる、2層の独特な構造を持った現在の本殿が造営され、隆盛を極めた。

 富士山を水源とする湧玉池も広く知られている。16世紀の曼荼羅図や17世紀の旅行記では、道者が登山前に身を清める「水ごり」を行う様子が描かれ、富士山信仰で重要な経由地となっていた。
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