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強風・突風

 富士山における滑落事故や転倒事故の原因のひとつに強風・突風がある。過去に記録された富士山の風の強さは、最大瞬間風速91.0メートル、最大風速72.5メートル(いずれも日本国内で記録された最大記録)と並みではない。

 1973年から2000年の平均でみても、最大風速20メートルを超す台風並みの日が年間121.0日、10メートル以上も313.4日あり、風速がひと桁の日は、わずか50日程度。最も小さい8月でも平均風速7.3メートル、7月は8.5メートルある。

 また、独立峰であるため風向きが常に変化する。吹き方にも強弱があるのが富士山の風の特徴。おまけに風をさえぎる樹木などもない6合目以上では、生身を強風にさらすことになる。

 この風のため登山者はバランスを崩しやすく、実際、強い向かい風に前かがみに進んでいて、突如風が止みそのまま前のめりに滑落・転倒するケースもある。たとえ晴天でも突然の風に十分注意し、強風下の登山は中止、避難が必要。

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