日本のシンボルを自動車のナンバープレートに
地元が希望する地名などを自動車のナンバープレートに表示する「ご当地ナンバー」として、山梨、静岡両県が県境を越えて要望。国土交通省が2007年3月に導入を正式決定。全国のご当地ナンバーとして19カ所目で2008年11月4日に交付が開始された。複数県にまたがるナンバー交付は初めて。
交付対象地域は、山梨県が富士吉田市、富士河口湖町、西桂町、鳴沢村、忍野村、山中湖村、道志村。静岡県が富士宮市、富士市、御殿場市、裾野市、小山町。
富士山ナンバー導入をめぐっては、山梨、静岡両県が2005年5月、「国際観光振興など地域振興につながる」として、国土交通省に導入の要望書を提出したが、「複数の運輸支局にまたがらない」との原則がネックとなり一度落選した。その後、国土交通省は「富士山」表記の右側に記す分類番号で、山梨県側と静岡県側の車両を区分する方向で導入を検討。登録システム改変などの準備期間を経て、実現に至った。
なお、125cc以下のミニバイクのナンバープレートには「富士山形」を導入している。
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交付対象12市町村は2017年10月、富士山の図柄が入ったナンバープレートの導入を決定。観光振興などを目的とした、国土交通省の地方版図柄入りナンバープレートの交付事業を利用する。両県で異なるデザインを採用、2017年11月から2018年1月にかけて公募と人気投票を行った。その結果、山梨版は葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」の一つで朝焼けに染まる「赤富士」を描いた「凱風快晴」をアレンジ、静岡版は富士山のふもとに花をあしらい、朝霧高原や茶畑の緑が広がる風景を描いたデザイン案がそれぞれ決まった。2018年10月1日交付開始。
図柄入りプレートは、新車・中古車の購入時だけでなく、同じ番号ならいつでも取り付け可能。全国自動車標板協議会「図柄ナンバー申込サービス」のウェブサイトで交付の申し込みを受け付け。通常は白黒だが、普通車で7千、8千円程度の手数料に加え、千円以上の寄付金を払うとカラー版を受け取れる。
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国土交通省が、全国各地で導入している図柄入り自動車用ナンバープレートについて、2023年3月末時点で普及率の高かった上位5地域を発表。第1弾として2018年から導入した41地域のうち、富士吉田市など7市町村が対象の山梨版「富士山」がトップとなった。
図柄入りナンバープレートは、「走る広告塔」として地域の知名度アップなどにつなげようと、2018年10月にスタート。第1弾として41地域、2020年に第2弾として17地域で導入。
「富士山」の普及率は4.04%で、実際に取り付けられたのは3672台。次いで「熊本」(熊本)の2.81%、「福山」(広島)の2.61%などと続いた。第2弾の中で最も普及率が高かったのは「飛鳥」(奈良)の6.29%。
「富士山」の図柄入りナンバープレートは山梨、静岡両県にそれぞれあるがデザインが異なり、山梨版は葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」の一つで、朝焼けに染まる「赤富士」を描いた「凱風快晴」をアレンジした図柄を採用。静岡版の普及率は2.57%。