山頂に輝くダイヤモンド
太陽が富士山の山頂付近から昇るまたは沈む瞬間、太陽の光があたかもダイヤモンドのような輝きを見せる自然の光景を、ダイヤモンド富士と呼んでいる。
富士山を東または西に見ることができる限られた地域と時期に、太陽が山頂と重なるわずかな時間に見られる貴重な光景。
山梨県で見られる主なスポットは以下に。
◇高下(富士川町)
富士川町高下は「日出づる里」と呼ばれ、日の出の「ダイヤモンド富士」が見える観光スポット。12月下旬から正月にかけて見ることができ、毎年、多くのアマチュア写真家などが訪れ、シャッターチャンスを狙う。
眺望ポイントは「高村光太郎文学碑」。取材で訪れた光太郎は、この地から迫る富士山を見て「こんな立派な富士は初めて仰いだ」と感嘆したという。
中部横断自動車道増穂ICから国道52号経由「鰍沢署入口信号」を右折。案内看板に従い県道高下鰍沢線を道なりに進む。または、JR身延線市川大門駅からタクシーで約25分。
毎年12月31日午後11時~1月1日午前9時まで周辺道路で交通規制(一方通行)が行われる。
◇竜ケ岳(富士河口湖町・身延町)
竜ケ岳は本栖湖の南側に位置し、元日前後に富士山頂から朝日が昇る「ダイヤモンド富士」を見ることができる。
中腹の標高1100メートル付近には展望台が設置されていて、山頂まで続く登山道の休憩所にもなっている。所要時間は、本栖湖畔竜ケ岳登山者用の駐車場から展望台までは約1時間10分、山頂までは約2時間10分。
国道139号の「本栖湖信号」から国道300号に入った後、200メートルほどで左折し、湖畔通りを約600メートル進むと左側に登山者用の駐車場がある。ここから竜ケ岳登山道を徒歩。
◇身延山(身延町)
身延山山頂からは、春(3月中旬)と秋(9月下旬~10月上旬)の年2回の各数日間、富士山頂から朝日が昇る「ダイヤモンド富士」が見られる。
毎年、上記各期間中の3日間、山頂展望台から観賞してもらうため、身延山ロープウェイ「ダイヤモンド富士観賞会」(山麓・久遠寺駅-山頂・奥之院駅間)の早朝特別営業が行われる。2023年春は、3月12日(日)~3月14日(火)の3日間、各日5:30運行開始。(状況に応じて始発時間が変更になる場合あり。日の出時刻は6:25頃)
身延山久遠寺まではJR身延線身延駅から路線バスで身延山バス停下車後徒歩約20分、または中部横断道下部温泉早川ICまたは富沢ICから国道52号経由。久遠寺からはロープウェイで身延山山頂まで約7分。
◇山中湖(山中湖村)
山中湖畔からは、富士山頂に夕日が沈む「ダイヤモンド富士」が、10月中旬から冬至をはさんで2月下旬までの約4カ月間、場所を少しずつ移動しながら長期間楽しめる。
また毎年2月には「DIAMOND FUJI WEEKS」と銘打ち、山中湖からのダイヤモンド富士をアピール。アイスキャンドルフェスティバルや花火打ち上げなどのイベントが開催される。
富士急行線河口湖駅・富士山駅から周遊バス「ふじっ湖号」で山中湖各所。車では東富士五湖道路山中湖IC下車、国道138号を山中湖方面へ。
◇富士本栖湖リゾート(富士河口湖町)
本栖湖の近く、春に「富士芝桜まつり」が開催される本栖湖リゾートでは、毎年年末年始に「ダイヤモンド富士鑑賞会」が開催される。気象条件によっては、場内の竜神池に映る「逆さ富士」との「ダブルダイヤモンド富士」が鑑賞できる。
2022年12月30日(金)~2023年1月4日(水)の6日間、各日7:00~9:00(1月1日のみ4:00~)営業。天候により変動あり。入場料金は大人千円、小人500円。中央自動車道河口湖ICまたは東富士五湖道路富士吉田ICから国道139号を本栖湖方面へ約25分。