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2019.8.09 所属カテゴリ: 山日紙面で見る富士山 / 7月 /

91歳、富士山頂に立つ 米国のおばあちゃん快挙 意気軒高「また来る」

 91歳の高齢で、富士山(3,776メートル)に挑んだ米国人のおばあさん、ハルダ・クルックスさん(カリフォルニア州)は24日午前3時45分、念願の登頂に成功した。これまで女性の登頂最高齢記録は、神奈川県の矢島ミネさんが持つ90歳だったが、クルックスさんはこれを塗り替え1歳更新した。

 クルックスさんは、66歳でアラスカを除く米国の最高峰ホイットニー山(4,418メートル)に登ったのを皮切りに、その後22回も登頂し「ホイットニーおばあさん」と呼ばれるほど。写真で見た富士山の美しさにひかれ来日した。

 クルックスさんは22日、標高2000メートルの新5合目須走登山口を出発、少しずつ高度を上げた。

 24日午前1時すぎ、8.5合目から頂上にアタックを開始。まだ夜明け前の星が満天に輝く中、米国から同行した山登り仲間のリードでクルックスさんはオレンジ色の防寒具姿につえを握りしめ登った。

 午前3時45分、気温4.9度、快晴で三浦半島から東京都心部がはるかに見える山頂を極めた。

 付き添いの仲間たちが万歳で祝う中、ご来光に胸の前で手を組み、NTTの特設電話を使って米国の居住地のカリフォルニア州ロマ・リンダ市の市長に「成功しました。ご協力を感謝します」と喜びの表情で連絡した後、クルックスさんは「年齢は気持ちの持ち方次第。若い人こそチャレンジ精神が必要。また富士山に来たい」と話した。 【当時の紙面から】

(1987年7月25日付 山梨日日新聞掲載)
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