県境・安倍山系の最高峰
白根南嶺は、南端で静岡県境の安倍山系に接して終わる。静岡側から見ると安倍山系は、梅ケ島をかなめにして扇のように東西に開いている。両山系の接点にあるのが、安倍山系の最高峰・山伏(やんぶし、早川町・標高2014メートル・山梨百名山)。北を雨畑川、西を大井川、南を安倍川が深く刻んでいる。
山頂は明るく広がり、コメツガやシラベの老木がまばらに生える一面のササ原は、ほんとうに気持ちが良く、展望も申し分ない。安倍峠の上には、はるかな富士山、振り返れば笊ケ岳、布引山の左手に荒川岳、赤石岳などの名峰も見える。北東に延びる主稜はなだらか。先には、標高2千メートルということで、西暦2000年に全国的に注目を浴びた行田山(大谷嶺)がある。
全国に信仰との絡みで山伏岳と名付けた山は多い。しかし、単に「山伏」と表記し、「やんぶし」と呼ぶ例は珍しい。
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