玄関口のにぎわい伝える

　山梨県富士河口湖町船津の変電所近くに「富士登山道船津口」と書かれた石碑が立っている。

　町教委生涯学習課によると、碑は明治－昭和初期とみられる期間に、現在地から約５００メートル北側の旧河口湖町役場（現・町交流センター）付近に設置されていた。その後、同町船津の富士博物館の資料として、同館の門の脇に移設。２０２０年に同館が休館することになり、寄贈を受けた町が昨年１１月、現在地に設置した。

　富士博物館時代を除き、碑は船津口登山道沿いに立つ。同登山道は御師集落があった河口地区から富士山に向かう登山者が利用してきた。沿道にある、富士山信仰の拠点である船津胎内神社の参拝客でにぎわったほか、近代では富士山有料道路（富士スバルライン）に先駆けてバスでの観光ができるように道が整備されてきた。

　現在地は富士急行線河口湖駅にほど近く、多くの車や観光客が行き交う。