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2021.3.30 所属カテゴリ: 山日紙面で見る富士山 / 3月 /

海に向けて“山梨の夜明け”

甲府精進湖有料道 待望の開通式

 甲府盆地と富士五湖地方を最短距離で結び、太平洋ベルト地帯へ直結させた県営甲府精進湖有料道路の開通式は、3月29日午前9時半から東八代郡中道町右左口の有料道路起点で行なわれた。

 田辺知事、有泉県議会議長、川手県企業局管理者をはじめ、関係町村長、地権者、工事関係者、約100人が出席、玉ぐしをささげて清祓式を行なった後、地元住民、工事関係者など約1000人が見守る中で田辺知事ら5人が紅白のテープを切ると、花火が打ち上げられ、色とりどりの風船がいっせいに放たれオープンした。ここで神官が道路を清めながら進む後を、田辺知事らの乗ったオープンカーを先頭に、甲府工高のブラスバンド、湯田高のバトントワラーズが続き、このあとを4、50台の車が東八代郡上九一色村精進までの全線14キロを祝賀パレードした。途中同村梯のA区間ゲートでは振りそで姿の女性や村民が手に手に日の丸の旗を振って出迎え、同村内は開通式一色だった。

 精進のゲートでも村民や小、中学生約500人が出迎える中を田辺知事らがテープカットして全線の開通を祝った。このパレードには中道町老人クラブなどがバス9台を連ねて加わり、静岡県田子ノ浦まで一番乗りをした。

 開通式の後、上九一色村の精進湖畔で関係者500人が出席して完成祝賀会が行なわれた。田辺知事が「甲府精進湖有料道路の開通は国中と郡内の夜明けである。経済の立体化、観光にも役立ち、さらに東海経済圏との交流ができる。悲願達成の日である」と述べ、川手管理者の経過報告、工事関係者への感謝状の贈呈などがあり、有泉議長、野口県観光連盟会長などのお祝いの言葉があった。

 なお、一般の供用開始は4月1日。 【当時の紙面から】

(1973年3月30日付 山梨日日新聞掲載)
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