河口浅間神社の遥拝所

霊峰望む「天空の鳥居」

　「天空の鳥居」として知られ、国内外の観光客が訪れる富士山の撮影スポットがある。河口浅間神社が富士河口湖町河口に設けた遥拝所。富士山と河口湖を一望でき、遮る物がない中に鳥居が浮かび上がって見える。

　河口浅間神社は富士山噴火を鎮めるため、８６５年に建立。世界文化遺産に登録された富士山の構成資産となっている。２０１９年３月には、ご神体の富士山を小高い丘から遥拝する富士山信仰に親しんでもらおうと、裏山の斜面に遥拝所を整備し、鳥居を設けた。

　遥拝所がある裏山は高い木々がなく、鳥居だけがぽつんと浮かんで見えることから、「神々しい」「息をのむ景色」などと評判に。ＳＮＳ（会員制交流サイト）で拡散し、人気の撮影スポットとして国内外から観光客が訪れるようになった。

　富士講の信者がみそぎを行ったとされる「母の白滝」と神社を結び、遥拝所を経由する約１．５キロの登山道も整備。参拝者のために遥拝所では、神社の末社である「母の白滝神社」の御朱印を用意している。

　新型コロナウイルス対策で、一時、立ち入りを制限していたが、２０２０年８月下旬から受け入れを再開。遥拝所近くには６台分の駐車スペースも設け、アマチュアカメラマンらが訪れている。

　■所在地　山梨県富士河口湖町河口