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構成資産 山梨、静岡に25件

「信仰」「芸術」の価値証明

御師住宅(旧外川家住宅)

御師住宅。登拝(とうはい)のための宿や食事を道者に提供するなどの世話をしたのが御師。日常は富士山信仰の布教活動と祈りを行っていた(写真は旧外川家住宅)

 富士山の文化遺産としての価値を証明する構成資産は、山梨、静岡両県合わせて25件。このうち山梨側は16件、静岡側は8件、両県にまたがる富士山域が1件となっている。

 構成資産は、富士山が「信仰の対象」「芸術の源泉」になった名山という観点の価値の根拠となるもの。美しい稜線を持つ山体そのものに加え、富士山の周囲にある神社、溶岩樹型、湖沼などが含まれる。

 山梨県側の構成資産として、富士山信仰の拠点や信仰に関わる宗教行事を行う場となった河口浅間神社、冨士御室浅間神社がある。そのほか、富士講信者らが巡礼を行った忍野八海や胎内樹型、信者の宿坊となった御師住宅なども入っている。

冨士御室浅間神社

修験や登拝など富士山信仰の拠点に位置付けられる2合目の本宮と土地の産土(うぶすな)神としての里宮が一体となって機能してきた冨士御室浅間神社

 静岡県側は、富士山を遙拝し、噴火を鎮めるために創建された富士山本宮浅間大社(富士宮市)、富士講の開祖とされる長谷川角行が修行し、入定したと伝えられる人穴富士講遺跡(同市)、富士山画の題材の典型とされる三保松原(静岡市)などがある。

 山梨、静岡両県にまたがる富士山域は九つの構成要素から成る。山梨県側は吉田口登山道、北口本宮冨士浅間神社、西湖、精進湖、本栖湖の五つ。静岡県側は現在の富士宮口登山道と御殿場口登山道、須走口登山道の三つ。また、両県にまたがる山頂の信仰遺跡も含まれている。

(2013年1月1日付 山梨日日新聞掲載)
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