御師料理
一口大のジャガイモとヒジキ、ちくわ、ニンジンを鍋で炒めた後、酒やみりんを加えて30分煮る。ふたを外して、水分を飛ばすように煮立たせると完成。御師料理の一品であるジャガイモとヒジキの煮物となる。
御師料理は富士講信者の宿坊である御師の家で、登山前の信者に振る舞われてきた。ふじさんミュージアムによると、富士講が盛んだった江戸時代は肉食が禁じられていて、御師料理も精進料理をベースにしている。肉料理の代わりに魚料理を出し、ジャガイモやヒジキ、昆布などが使われるが、御師料理の明確な定義はないという。
約450年の歴史がある「筒屋」(富士吉田市上吉田6丁目)は御師料理を提供している宿坊。夏山シーズンには富士講信者や登山客の宿泊を受け入れ、伝統の料理を振る舞っている。ジャガイモとヒジキの煮物のほか、魚の煮付けや山椒の実で和えた酢昆布などを提供している。富士山の山開きはジャガイモの収穫期と重なり、料理は宿泊者に親しまれてきた。
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