2013.1.01
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富士山世界文化遺産への道 /
富士山世界文化遺産への道(山梨日日新聞特集から) /
山開き前の登録へ 高まる期待
5月、諮問機関がユネスコに勧告
今年は富士山が世界文化遺産に登録されるかどうかが決まる。国際記念物遺跡会議(イコモス)の勧告を受け、6月17~27日にカンボジアで開かれる世界遺産委員会で結論が出る。富士山の山開き(7月1日)前に可否が決まる予定だ。
山梨、静岡両県は2005年、合同会議を立ち上げて富士山の世界文化遺産登録へ向けた活動をスタート。2007年、世界遺産候補が記された暫定リストに登載。2011年7月には、富士山の価値を「信仰の対象、芸術の源泉となった名山」との観点で説明した推薦書原案を文化庁に提出した。これを受け、政府は昨年1月、正式な推薦書を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出している。
登録実現には、ユネスコの諮問機関であるイコモスの審査を経た上で、「登録勧告」を受けることが必須条件。イコモスは昨年8~9月、現地調査を実施。専門家が冨士御室浅間神社や西湖、精進湖、本栖湖など構成資産25件を視察し、文化的価値や保全状況を確認した。
イコモスは現地調査の報告書と推薦書に基づき、富士山を世界文化遺産に登録するべきか審査。5月ごろユネスコ世界遺産委員会に「登録」「情報照会」「登録延期」「不登録」のいずれかを勧告する。これを受けて、6月に開かれる世界遺産委員会で登録の可否が決まる見通しだ。
同委員会の委員国は日本やドイツ、インド、南アフリカなど21カ国。「日本の宝」として愛され続けてきた富士山は、「世界の宝」となるか。その日が待たれる。
(2013年1月1日付 山梨日日新聞掲載)広告