富士山登録「関心ある」8割強
半数「内容知らない」
山梨、静岡両県が進める富士山の世界文化遺産登録について、山梨日日新聞社がインターネットを通じて行ったアンケートによると、登録に関心を持っている人が84.8%に上った。一方で、国が登録を求めて国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出する推薦書の内容や、スケジュールに関しては半数以上が知らないとしていて、登録活動の周知が課題となっている。
富士山の世界文化遺産登録をめぐっては、山梨、静岡両県が2011年7月、登録に必要な推薦書原案を政府に提出。政府は2012年2月1日までに正式な推薦書を提出する。
世界文化遺産登録に対する関心を聞いたところ、「関心がある」が35.3%、「どちらかといえばある」が49.5%で合わせて8割を超えた。「ない」「どちらかといえばない」はそれぞれ4.2%、8.2%だけだった。
県などは、富士山が古くから「信仰の対象」「芸術の源泉」となった名山として登録を目指しているが、こうした文化的価値の説明について「知らない」は52.2%。「知っている」の43.5%を上回った。最短で2013年に登録が実現することも「知らない」(50.6%)が「知っている」(45.6%)より多かった。登録活動自体についても「聞いたことはあるが詳しく知らない」が73.5%を占め、「よく知っている」は20.3%にとどまった。
県は世界文化遺産登録に向けた機運を高めるため、2月23日を「富士山の日」に制定したが、こうした動きを「知っている」のは50.5%で、「知らない」(47.7%)とほぼ同数だった。
登録活動に向けた機運を高めるため必要な取り組みを複数回答で聞いたところ、「富士山周辺の清掃や植樹などの環境活動」を挙げた人が73.7%で最多。「イベントでのPR」(63.4%)や「新聞やテレビなどを使ったPR」(57.1%)が続いた。
調査は2011年11月14~27日、山梨日日新聞社のウェブアンケート「山日あすく」で実施。849人(男302人、女547人)から回答を得た。
(2011年12月15日付 山梨日日新聞掲載)