1つ前のページに戻る

2020.8.24 所属カテゴリ: ぐんないスポット探訪 / 山中湖村 /

三島由紀夫文学館

初版本や原稿ファンを魅了

 国道138号沿いの山中湖文学の森公園の一角にたたずむ「三島由紀夫文学館」。小説家や劇作家だった三島由紀夫の著書など約300点がそろい、1999年の開館以来、訪れる人を魅了している。

 三島は16歳のときに「花ざかりの森」で文壇に登場。「仮面の告白」で作家の地位を確立し、「潮騒」「金閣寺」などの代表作を世に送り出した。

 展示室には三島作品の初版本99冊や年譜、直筆原稿、取材ノートが所狭しと並べられ、肖像写真や家族写真などから、当時の様子をうかがい知ることができる。また、執筆活動の雰囲気を演出するため、三島邸の書斎イメージを再現。スクリーンで作品紹介の映像を流している。

 芝生庭園には三島邸の庭を模してアポロ像が設置され、2階の閲覧室では、三島に関する約7000冊の蔵書を読むことができる。

 2016年には、エントランスホールを、村内在住の写真家や画家らの作品を展示する「村民ギャラリー」にリニューアル。随時展示を入れ替え、多くの村民の作品を飾る。2018年には、三島の生涯館内の展示を短時間で楽しんでもらうため、パンフレット「20分でわかる三島由紀夫」を作製。外国人観光客向けに4カ国語(英語、フランス語、中国語、韓国語)に翻訳。

三島由紀夫文学館 2020年には、三島の没後50年を記念して、常設展示をリニューアル。約200点が並び、三島の生涯をたどりながら、作品や関連するエピソードを解説。三島の代表作「金閣寺」のコーナーでは原稿や創作ノートを展示。実際の放火事件を基にした創作であることに触れ、金閣寺全焼を報じた新聞なども紹介。

 「文学館からひとこと!!」として、資料の見どころと展示意図を説明。作家の人生と作品がどう影響し合っているか、全体像を把握できるようにした。

 また、「金閣寺」を題材としたオペラや舞台を手掛けたことがある演出家宮本亜門さんがメモリアル・アンバサダーに就任。常設展では宮本さんの三島に対する思いや作品の魅力をパネルで紹介。

 三島を知らない世代や観光目的で来村した来館者が増える中で、専門的な知識がなくても楽しめ、三島文学に触れるきっかけとなるような施設を目指している。

 ■所在地 山梨県南都留郡山中湖村平野506-296

広告