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【富士山噴火ハザードマップ・改訂版】<1>溶岩流

範囲、10市町村に拡大

 溶岩流は県内10市町村に到達すると予想している。最新の調査結果に基づき、想定される火口の範囲を大幅に拡大。到達距離は北東側に大きく延びた。県内は上野原市まで達し、都留市や西桂町などでは到達時間が早くなるとしている。

 新たな研究で過去の噴火状況が明らかになり、大規模噴火の噴出量を貞観噴火(864~866年)規模の13億立方メートルに変更。2004年版で想定した7億立方メートルから、1.9倍に増やした。火口想定地点は04年版の5倍に当たる252地点(山梨、静岡両県)を設定し、より詳細に予想した。

 地形データを改定前の「200メートル四方」から、より細かい「20メートル四方」に変更。細かな地形の影響が反映され、傾斜が急な北東側を中心に到達距離が長くなった。

 県内に溶岩が流れ込むと予想される噴火のパターンは122。内訳は小規模が41、中規模が41、大規模が40。富士吉田、都留、大月、上野原、富士河口湖、西桂、身延、鳴沢、山中湖、忍野の10市町村に到達するとみている。04年版は想定していなかった大月、上野原市が加わった。

 最短到達時間を見ると、想定火口範囲内にある富士吉田や鳴沢、富士河口湖は0分。山中湖10分、忍野13分。身延1時間45分、西桂5時間、都留7時間半。大月は1日と12時間、上野原は6日と9時間で到達するとみている。

 市役所、町村役場には7市町村で到達すると予想。鳴沢は2時間半、山中湖は18時間半。一方で、富士吉田は6日と22時間、富士河口湖は14日などとなっていて、富士山を抱える自治体でも溶岩流が到達する時間には差が見られた。

 主な道路への到達時間は、国道138号が13分、国道139号が20分、東富士五湖道路が1分以内など。噴火から早い段階で道路網が寸断される恐れがある。

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