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「富士山」登録へ活動本格化

NZで第31回世界遺産委員会

 山梨、静岡両県を中心に、「富士山」の世界文化遺産登録実現に向けた活動が一層本格化している。遺産登録の国内候補に決定(暫定リスト入り)したことで、登録推薦に向けた準備もスタートした。23日にニュージーランドで開幕する国連教育科学文化機関(ユネスコ)第31回世界遺産委員会では、富士山の暫定リスト登載が報告され、正式に世界遺産候補に位置付けられる見通し。両県関係者も初めて委員会に出席し、登録実現に向けたPR活動を行う。

DVDやポストカード配布 委員会でPR活動 山静両県関係者

暫定リストに登録されている富士山

世界文化遺産の候補としている暫定リストに登録されている富士山=山日YBSヘリ「ニュースカイ」(NEWS)から

 2007年の世界遺産登録などを決める世界遺産委員会は、ニュージーランドのクライストチャーチを会場に23日から7月2日までの日程で開かれる。富士山の暫定リスト登載が報告された際は山梨、静岡両県の関係者が委員や各国の関係者に富士山を映したDVDやポストカードを配り、登録実現に向けた周知活動を展開する。

 同委員会には両県の関係者やNPO法人「富士山を世界遺産にする国民会議」のメンバーら約10人が出席する。

 PR活動では、四季折々の富士山の映像を収めたDVD「Mount Fuji-日本の宝を世界の宝に」500枚を委員や各国の出席者に配布。富士山信仰や芸術作品に与えた影響を日本語と英語で解説したパンフレットや富士山の写真が立体的に見えるポストカードも配り、知名度アップを図る。

 また、遺産登録などの委員会審議も見学。遺産候補の文化的価値を証明する手法などを学び、富士山の登録実現に向けて必要となる推薦書の素案作成に生かしていく考えだ。

 現地では、富士山に似た姿の山を持ち、複合遺産(自然・文化)に登録されているトンガリロ国立公園も視察する。管理者から保存管理の方法などについて説明を受ける予定。今後策定する富士山の保存管理計画の参考にする。

(2007年6月23日付 山梨日日新聞掲載)
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