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2021.12.08 所属カテゴリ: 富士山噴火に備える / 防災キーワード /

国際シンポジウム2021「富士山登山における噴火時の安全確保」

 2021年12月5日に山梨県の富士吉田市民会館で開かれた、富士山噴火時の危機管理体制などについて考える、国際シンポジウム2021「富士山登山における噴火時の安全確保」(県富士山科学研究所主催)。登山者の安全確保をテーマに、アルピニストの野口健さんら国内外の専門家や登山家が参加。講演やパネル討論を通じて意見を交わした。初心者や外国人など多様な登山者が多い状況などを踏まえ、広く火山として認識してもらうための効率的な情報発信を求める声などが出た。

 野口さんは、今年3月に改定された富士山噴火のハザードマップに触れ「地域住民ではない登山者がどこまで知っているのか」と指摘。噴火に関する情報発信について「伝えることと実際に伝わることは違う。登山者に関心を持ってもらえる伝え方が大切」と述べた。また、噴火時、会員制交流サイト(SNS)などで公開するため、写真撮影を優先する登山者が出る可能性があることも懸念した。

 立命館アジア太平洋大のトーマス・ジョーンズ教授は、登山者の6割が登る吉田口登山道の登山者動向から「登山経験のない外国人も増えている。多様化する登山者を管理し、スムーズに避難させるのは難しい」と説明。多言語による噴火情報の発信や救助活動に活用できるスマートフォンアプリを紹介し、「日の出を見るため山頂に集中する登山者を含め、登山道にいる人に正確で円滑に避難情報を発信できる」と導入を勧めた。

 このほか、御嶽山の火山防災を担当する長野県王滝村総務課の稗田実さん、富士山登山者の意識調査をする山梨大大学院生の丸山洸さん、県富士山科学研究所の藤井敏嗣所長らを交えてパネル討論した。

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