2024.12.10

甲斐絹、養蚕文化ひもとく 富士吉田で企画展 史料や道具紹介

養蚕農家で実際に使われていた道具=富士吉田・ふじさんミュージアム

養蚕と富士山信仰の関わりを紹介する展示史料=富士吉田・ふじさんミュージアム

 富士吉田市のふじさんミュージアムは、同館や敷地内にある旧宮下家住宅で、高級絹織物で、同市でもかつて織られていた「甲斐絹」や、養蚕文化について解き明かす企画展「甲斐絹をよむ#02『蚕』」を開いている。同館所蔵の史料から、甲斐絹の魅力や蚕と富士山信仰の関係を伝えている。

 企画展は、昨年市内で開催した芸術祭「フジテキスタイルウィーク」で実施された、甲斐絹をテーマにしたデザイン展「甲斐絹をよむ」の続編。同館によると、前回がアートの観点に着目したのに対し、蚕を中心に歴史や文化的側面から光を当てている。
 館内の展示では、富士講信者らに御師が配布した養蚕守護のお札や、富士山の神「木花開耶姫命」が養蚕の神としても描かれる掛け軸などが並ぶ。また、県内の現役養蚕農家のドキュメンタリー映像を流したり、市内の農家で使われていた養蚕道具を紹介したりして、多角的な視点で養蚕に触れることができる。
 旧宮下家住宅では、かつて実際につくられた甲斐絹の羽織15点も展示。同館の担当者は「蚕と人、甲斐絹の歴史や関わりを知ってほしい」と話している。
 来年1月20日までで、午前9時半~午後5時(最終入館同4時半まで)。火曜と、12月28日~1月3日休館。一般400円、小中高生は200円。市民は無料。問い合わせはふじさんミュージアム、電話0555(24)2411。

(2024年12月7日付 山梨日日新聞掲載)

広告
月別
年別