2024.7.04

富士山登山規制スタート 山開きゲート通過1699人許可

富士山吉田口登山道5合目に設置されたゲートの前で、右手首に着けたリストバンドを担当者に見せる登山者

 富士山の吉田口登山道が1日、山開きを迎え、初めて登山規制を導入した夏山シーズンが幕を開けた。雨を伴う強風の中で、宿泊せずに夜通し登る「弾丸登山」やオーバーツーリズム(観光公害)への対策の一環で設置した、5合目のゲートの運用を開始。1人2千円の通行料を徴収し、午後4時に閉鎖した。1日午後4時時点で前日までの予約数と当日受付数を合わせ、ゲート通過を認めた人数は1699人だった。

 1日は強風や断続的な雨に見舞われ、5合目も雲が広がった。麓から5合目を結ぶ富士山有料道路(富士スバルライン)は強風で1日午前0時から通行止めとなり、午前9時ごろに解除された。
 県富士山保全・観光エコシステム推進グループによると、5合目に設けたゲートは1日午前0時に閉じ、午前3時に開けた。午後4時に再び閉鎖するまでに当日受付で通行料を支払ってゲートを通過したのは570人。前日までの予約数は1129人(日帰り644人、山小屋宿泊485人)で、開山日の午後4時までのゲート通過者数は最大で1699人という。
 県は1日に富士スバルラインで通行止めがあったため、5合目でQRコードを提示してリストバンドを受け取っていない予約者を対象に、決済したクレジットカードなどを通じて返金する。手続きは不要という。今後も同様の対応を取る方針。通行止めがゲート閉鎖時間帯だった場合は日帰りの予約者には返金しない。自己都合によるキャンセルも返金はない。
 通行規制は午後4時~午前3時と、登山者数が1日の上限4千人に達した場合にゲートを閉鎖し、山小屋宿泊者以外は通れない。ゲート通過を確約する事前予約を導入し、登山前日まで受け付ける。予約と同時に通行料の決済が必要となる。開山期間は9月10日まで。

(2024年7月2日付 山梨日日新聞掲載)

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