2023.6.27
富士登山 巡回指導を強化 「弾丸」増懸念 救護所は常時開設
県は今夏、富士山で「弾丸登山」の増加が懸念されていることを踏まえ、登山者に対する安全対策を強化する。7合目の救護所の開設日を従来より30日程度増やし、安全登山を呼びかける巡回指導の体制を拡充する。〈宇賀神将樹〉
県世界遺産富士山課によると、今夏の救護所は72日の開山期間(7月1日~9月10日)に常時開設する。昨夏までは7月上旬~8月下旬のうち、計40日間程度だった。今夏は例年対応を依頼している千葉大の医師や看護師に加え、他の看護師にも協力を呼びかけて体制を拡充する。
巡回指導は7月15日~9月10日のうち、特に弾丸登山による混雑が予想される毎週金曜日の深夜から土曜日の早朝にかけて実施。2人1組で登山道を巡回し、急いで登ったり、前方の人を追い越したりしないよう、安全な登山を呼びかける。昨夏まではお盆期間のみ、同様の時間帯に2人1組で巡回していた。
安全対策の方針は26日、6月定例県議会一般質問の答弁で長崎幸太郎知事が明らかにした。長崎知事は「今年の夏の富士登山については、山小屋関係者と議論する中で、弾丸登山の増加による重大事故発生の恐れなど、強い危機感を共有してきた。緊急的に追加措置を講ずることを決めた」と述べた。
弾丸登山を巡っては、山小屋に宿泊予約が殺到し、事故の増加が懸念されるとして、富士北麓の6市町村長と富士山吉田口旅館組合の組合長らが登山者数の制限を求める要望書を県に提出していた。
(2023年6月27日付 山梨日日新聞掲載)
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