記念シンポで価値再考
文化的意義を紹介 24日、富士河口湖
富士山の世界文化遺産登録10周年を記念するシンポジウム(富士河口湖町、同教委、県考古学協会主催)が24日、町中央公民館で開かれる。講演や研究成果の発表などを通し、世界文化遺産としての価値を再認識してもらう。
シンポジウムは3部制。第1部の基調講演は午後1時10分開始で、同協会会長の新津健さんが「世界遺産登録から10年 富士山の文化的価値をみつめる」と題して語る。
午後2時10分開始の第2部は、町教委の杉本悠樹さん、昭和大富士山麓自然・生物研究所の馬場章さん、県埋蔵文化財センターの野代恵子さんの3人が世界遺産登録後10年間の研究成果を発表。富士山麓の遺跡や発掘調査の成果などについて紹介する。
第3部のパネルディスカッションは午後4時20分から。新津さんら4人に加え、同協会事務局長の室伏徹さんと帝京大文化財研究所の櫛原功一さんも登壇。第2部の発表を受け、調査成果の活用法について語り合う。
入場無料。先着100人、問い合わせは同教委生涯学習課、電話0555(72)6053。
環境問題や動植物 解説 25日、富士吉田
富士吉田・県富士山科学研究所は25日、同所で富士山の世界文化遺産登録10年を記念したシンポジウムを開く。「富士山とくらす私たちの生物多様性とSDGs(持続可能な開発目標)」がテーマ。識者の講演などを通じて富士山の在り方を考える機会とする。
識者のうち、上智大大学院の織朱実教授は世界遺産の環境問題に関する研究内容などを報告。茨城大の山村靖夫名誉教授は富士山の森林の特性などを解説する。元富士山科学研究所副所長の北原正彦さんは、富士山周辺に生息するチョウの特徴などを紹介。研究所の小笠原輝主任研究員は、地元の伝統工芸「スズタケ細工」について説明する。
講演者によるパネルディスカッションもあり、全体のテーマに関して意見を交わす。
シンポジウムは午後1時半~4時。参加無料。事前申し込みが必要で、研究所ホームページなどで受け付けている。定員は先着100人。問い合わせは富士山科学研究所、電話0555(72)6206。
(2023年6月22日付 山梨日日新聞掲載)