富士山 新たな価値を
世界遺産10年 保全へ連携誓う
富士山が世界文化遺産に登録されて10年を迎えることを記念し、山梨、静岡両県は「富士山の日」の23日、同県沼津市内で「『富士山の日』フェスタ2023」を開いた。両県が連携して富士山の保全に取り組んでいくことを確認。長崎幸太郎知事は昨年12月に立ち上げた「富士五湖自然首都圏フォーラム」を通じて、富士山の新たな価値を生み出していく必要性を訴えた。
長崎知事や川勝平太静岡県知事、両県の県議会議長ら約340人が出席。富士山が今年6月に世界文化遺産登録から10年を迎えることから、関係者がくす玉を割って祝った。
長崎知事は壇上で、昨年12月に設立した富士五湖地域を観光リゾート地と首都圏機能が融合したエリアとして発展させる「富士五湖自然首都圏フォーラム」について解説。今後、五つのテーマごとにワーキンググループを設けて検討していくことを説明し、「世界の宝である富士山の普遍的な価値を、守るだけでなく、新たな価値を生み出すことで次世代に継承できるのではないか」と語った。
川勝知事は「信仰の対象、芸術の源泉として後世に長く語り継いでいく決意だ」と強調。日本、中国、韓国の代表都市が文化の交流と発信を行う「東アジア文化都市2023」に選ばれたことを紹介した。「富士五湖自然首都圏フォーラム」にも協力する考えを示した。
会場には両県の世界遺産センターや富士山に関する活動を紹介するブースが設置された。山梨日日新聞社は23日付の朝刊を配布し、富士山が世界文化遺産に登録されたことを報じる2013年6月23日付の紙面をパネルで展示した。
山梨県内では、3776個のおにぎりの配布など富士山の日を祝うイベントが各地で開かれた。
(2023年2月24日付 山梨日日新聞掲載)