富士山麓の鉄道歴史紹介
富士吉田で企画展 大宮さん収集の資料並ぶ
鳴沢村の自営業大宮仁さん(73)が趣味で集めた富士山にまつわる鉄道関連のアイテムを紹介する企画展が、富士吉田市上吉田3丁目の旧外川家住宅で開かれている。明治時代の馬車から電化されていった歴史を当時の地図や写真、切符とともに紹介。大宮さんは「時代の変遷を感じてもらいたい」と話している。
大宮さんは富士山に関する資料などを長年収集するコレクター。大宮さんによると、富士山にまつわる鉄道の歴史は、明治時代、小沼と上吉田を通っていた「馬車鉄道」が始まり。馬が客車を引きレール上を走るもので、「都留馬車鉄道」と呼ばれていた。その後、電化されていき、1929年に現在の富士急行線である富士山麓電気鉄道が走るようになった。
企画展では、13枚のパネルを展示。馬車鉄道の様子を描いたスケッチや、明治から大正、昭和時代の富士北麓地域の地図を並べ、時代の移り変わりが分かるようにした。大正時代の時刻表や、終戦直後の連合国軍総司令部(GHQ)の占領下で踏切に「STOP」と書かれた頃の写真なども展示されている。
記念切符や50年代の観光パンフレットなども飾り、マニアックな品々が並ぶ。パネルには時代ごとに大宮さんによる説明文も添えている。
大宮さんは「歩きから馬車へと変わって移動時間は大幅に短縮された。電化によってさらに進んだ。鉄道によって街が栄えたり、衰退したりと歴史を追っていくと見えてくるものがある」と力説。「当時の人々に思いをはせながら、見てもらいたい」と話している。
企画展は2月末まで。毎週火曜定休。大人100円、小中高生50円。午前9時半から午後5時(午後4時半最終入場)。
(2023年1月14日付 山梨日日新聞掲載)