2022.6.02

富士山噴火 徒歩避難を訓練

計画見直し受け、12月に

 富士北麓地域などの市町村でつくる富士山火山防災協議会は30日、富士吉田市内で総会を開き、県が富士山噴火を想定した避難実動訓練を12月に行う計画を報告した。3月に山梨、静岡、神奈川3県などでつくる「富士山火山防災対策協議会」が示した「一般住民は原則徒歩避難」の中間報告を踏まえた内容となる見通し。

 総会の中で、県の担当者が富士山噴火を想定した市町村との合同実動訓練を、12月上旬に富士北麓地域で行う計画を説明した。実動訓練前の10月中旬には、図上訓練を予定している。

 富士山火山防災対策協議会は3月末、避難計画の一部を見直した中間報告を公表。溶岩流からの避難に際して渋滞発生による逃げ遅れを防ぐため、「一般住民は原則、近くに徒歩で避難する」との新方針を示していた。県が予定する実動訓練は「徒歩避難」も踏まえた内容にする予定で、今後、具体的な訓練内容や実施時期を検討していくという。

 実動訓練の報告を受け、堀内茂富士吉田市長は県に対し、「徒歩での避難に関する住民への説明、有効な手段など市町村と連携してやってもらいたい」と要望した。

 富士吉田市も9月4日に行う防災訓練の中で、富士山噴火を想定し、中間報告の内容も訓練に盛り込む方針を示し、構成市町村に対して共同参加を呼びかけた。

 総会ではこのほか、富士山噴火のハザードマップ改定で、火山災害警戒地域に加えられた大月市と上野原市を構成市町村に加えることも承認した。

(2022年5月31日付 山梨日日新聞掲載)

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